日頃から安全運転を心がけていても起きてしまうのが交通事故というものではないでしょうか。
その中でも追突事故も近年では減少傾向にあるといわれていますが、ほかの交通事故と比較すると減少率は少ない事故といえます。
自分に過失がなくても、相手の過失により愛車に追突されて損害を被るわけですから得することがあっても損だけは絶対にしたくないですよね。
とはいえ、追突された結果が全損になってしまった場合には買い換えの費用や保険といったお金の面での知識は知らないと損をしてしまうことなどもあるのでぜひおさえておきましょう!
全損とは
そもそも全損とは?
ということですが、車両保険でいうところの全損には2種類のパターンがあります。
1、車の損傷がひどく修理不能な状態のもの(物理的全損)
2、修理はできるが修理費用が車両保険の保険金額以上になるもの(経済的全損)
この2つが全損といわれるケースになります。
全損にされたのに相手の保険で買い替え費用の全額がもらえない?
追突事故で自分に過失がなく10対0のようなケースでの場合では、過失側の相手の保険会社から保険金を受け取ることなるわけですが、その保険金の金額は買い替えの費用のすべてをいきなり提示してくれるわけではないので注意が必要です。
保険会社も商売ですので最初の保険料を安く提示してくることがあるわけです。
ですので、保険料の値上げを覚悟のうえで保険料を提示してくるようです。
そこで全損での保険料で損をしないためのポイントとして、以下の3つは必ずチェックしましょう。
①車両価格(時価額)
一般的には全損で支払われる車両保険はそのときの車両の時価額になります。
時価額とは
この車両保険での時価額というのは「同じ型の車種を中古で購入したときの市場価格」ということになります。
保険会社の時価額は「レッドブック」という交通事故の物損事故において、参考にされる赤本を参考に算定されます。
このレッドブックを参考にした時価額というのが専門誌や実際に販売されている中古車の販売相場や市場価格よりも低いケースが多いので交渉の余地があるといえます。
中古車販売店の同じモデルで同じ年式、走行距離の中古車相場をなるべくたくさん調べてみましょう。
交渉時の証拠として保険会社に提示して価格交渉するのもひとつのようです。
②買い替えに必要な諸費用
ふたつ目が、最初に提示される車両保険に買い替えに必要な諸費用が含まれているのか、いないのかのチェックです。
車両保険の中には買い替え時に必要な諸費用が含まれていないことがあるようです。
諸費用は過去の判例から、もらえる可能性がありますので以下の諸費用についても保険会社の担当者に確認してみましょう。
- 車検登録法定費用
- 車検手続き代行費用
- 車庫証明法定費用
- 車庫証明手続き代行費用
- 自動車取得税
- 納車費用
- 廃車・解体費用
- 残存車検費用
事故前の愛車と同レベルの車両の見積もり書を保険会社に見せることで諸費用が上乗せになることもあるようです。
③代車費用
また、事故のときのレッカー代やレンタカーなどの代車代なども請求ができる場合があります。
中古車に買い替える場合のレッカー費用ですが、およそ2週間分の費用が提示されることが相場になっているようです。
レッカー代がもらえると思ってゆっくりと次の車を選んでいるとレッカー代がもらえないということもあるかもしれませんので気をつけましょう。
以上の3つの費用は損をしないために必ずチェックしましょう。
全損でも買い替えなしで修理して乗り続けたい場合は?
全損車でも修理して乗りたいというケースでは、修理費用が時価額を超えている場合には修理費用が全額支払われないのが1番のポイントです。
修理費 > 時価額
この場合には保険会社は時価額分の保険料しか支払われないということになります。
ただし、「対物超過修理費用補償特約」もしくは「対物差額修理費用補償特約」という廃車や買い替え時の諸費用を補償する保険に事故の相手が入っている場合には時価額に上乗せで保険金をもらうことができます。
「対物超過修理費用補償特約」とは
車両保険金額の10%(上限20万円)が廃車や買い替え時の諸費用として支払われるというものです。
「対物差額修理費用補償特約」とは
時価額と修理費の差額のうち過失割合に応じて50万円を限度に支払われるというものです。
保険会社によって名称や内容が若干異なる場合もありますが、この特約に相手が入っている場合は修理をしても赤字にならずに修理が可能かもしれません。
ただし、修理後は事故車になりますので事故前の時価額(価値)よりかなり下がることだけは理解しておきましょう。
全損になった車の所有権は?
全損として車両保険を受け取るということになれば全損車の所有権は保険会社が買い取ったということになり、所有権は保険会社に移ります。
ただし、保険会社が所有権を放棄するということもありえるようで、そういった場合は全損になった車を売却することで売却益を得ることも可能です。
全損の事故車でも買取を保証してくれている買取店も今は多いので、ダメもとで所有権について保険担当者に確認してみるのもいいかもしれません。
まとめ
追突事故を受けてしまったのは不運ですが、そこでさらに全損になり買い替え費用や保険で損をしないためには、車の保険に対してある程度の知識は必要となります。
特に「もらい事故」は保険でもめるといわれていますので、最低限の知識武装はしておきたいところです。
また、ある程度の保険金の交渉は保険会社の人も覚悟しています。
交渉するかしないかで数万円、数十万円と保険金額が変わる可能性もあるかもしれないわけですから交渉はすべきといえるでしょう。
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